政策について
令和4度 一般質問報告
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令和の時代に合った政策等のアップデートについて
(質問)栃木県は、今年で誕生150年を迎えました。時代が流れる中、その時々で、栃木県民の価値観などの様々な変化とともに、県民生活に関わる政策や制度、県や街などの姿も変わってきたわけです。人口について言えば、昭和31年の厚生白書では「過剰人口の重圧が、国民生活の急速な回復あるいは向上を妨げている」と言われるくらい、人口の増加が課題でした。また、サラリーマンの平均月収は、昭和33年に1万6千円だったところ、昭和56年には20万円。約20年で、10倍以上になったわけです。さらに、昭和55年は、約65%と半数以上が「専業主婦世帯」、令和3年は約68%と同じくらいの割合が「共働き世帯」に変化しています。同じく55年は「夫婦と子ども」の世帯が約4割で最も多く、ついで約2割が「3世代等」だったのですが、いま4割を占める最も多い世帯は「単独世帯」つまり一人暮らし、です。ちなみに、日本は、コロナ前も1〜2%でした。ベトナムとタイでは、未来に対して明るい希望を持っている国民の声を直接聞いてまいりました。AIなどの分野では既に世界をリードするレベルの企業があり、農業分野では先進的な国々から技術を取り入れようと力を入れ、知事と相対して座る組織のトップは、ビンフック省書記長はじめ、女性のほうが多く、女性や女性の指導者たちがその国力の下支えとなっている現状なども目の当たりにしてまいりました。いま私たちが生きる令和の時代、発展し続ける他国の現状に向き合い、政策や制度、考え方をアップデートして、本県が目指す将来像を実現していくことが重要と考えますが、どのようにお考えになりますでしょうか、知事にお伺いいたします。
(答弁)いわば「不易流行」とも言える考え方を念頭に、本県の課題や強みを整理した上で、県政の基本指針である「とちぎ未来創造プラン」を策定し、常に施策の改善を図りながら、プランに掲げた各プロジェクトを推進しております。昨年12月に訪問したベトナムやタイでは、急激な経済成長の中、国民の希望に満ちた姿と活気にあふれる街並みを肌で感じ、私は、愛するふるさと栃木に活力と豊かさをもたらす取組を一層進めていく必要があるとの思いを強くしました。新年度には、若者、女性に選ばれる魅力あるとちぎづくりやポストコロナにおける本県産業の競争力強化に重点的に取り組むほか、DXやカーボンニュートラルの実現に向けても、各種施策を積極的に推進してまいります。また、県ではこれまでも、とちぎ創生アイデア会議や若者版元気フォーラムにおける県民のアイデア等を施策に反映してきました。これに加えて新年度は、栃木県誕生150年記念事業として、「若者未来デザインフォーラム」を開催し、若者のアイデアや提言等を今後のとちぎづくりに生かしていく考えであります。今後も、激しく変化する時代の激流を的確に捉えながら、県民一人ひとりが未来に希望を抱くことができるとちぎの実現に向け、全身全霊で取り組んでまいります。
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本県の女性活躍とG7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合を契機とした取組みについて
(質問)県ではこれまで、「とちぎ女性活躍応援団」の登録や「男女生き活き企業」の認定、シンポジウムの開催等を通して、企業の女性活躍推進への取組意識の向上に取り組んできました。入札参加資格への加点など企業側へきちんとメリットを提供して促進し、1月末現在のとちぎ女性活躍応援団の登録企業は1,306社、男女生き活き企業の認定数は282社になったのですが、その目的は、そうした数多くの企業が女性活躍の重要性を理解していることで達成されるわけです。本県の女性活躍について、周囲の理解をすすめるとともに、希望する誰もが自分の能力を最大限活かすことが出来るよう、G7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合を契機に取組を加速させるひつようがあると考えますが、県はこれまでの施策の課題をどのように捉え、今後の取組をすすめようと考えていらっしゃるのか、県民生活部長にお伺いします。
(答弁)女性活躍の推進は、本県が持続的に発展していくために必要不可欠であります。これまで、とちぎ女性活躍応援団を推進母体として整備するとともに、社会情勢の変化等を見据えながら取組を進めてまいりました。しかしながら、固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込みは未だ根強く残っており、あらゆる分野において更なる理解促進を図って参りますことが重要と考えております。このため、新年度はG7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合の議論や本県の現状、課題を県民と共有し、会合の成果を将来につなげるためのシンポジウムを開催いたしますほか、女性活躍応援団企業の優良事例の見える化等進めるなど、官民連携による取組を加速して参ります。誰もがそれぞれの個性や能力を発揮できる、活力に満ちた地域社会の実現に向け、積極的に取り組んでまいります。
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県立美術館、図書館、文書館の整備と栃木会館等跡地の利活用について
(質問)県は、県立美術館、図書館、文書館を「文化と知の創造拠点」の一体的整備という考えのもと、来年度から検討委員会を設置して、構想策定に着手し、検討をすすめることを公表しました。私にはSNSを含め様々な形で、宇都宮市民を中心に新たな県有施設を心待ちにしている県民からの声が、日々届いているところです。構想の策定にあたっては、まず県立美術館、図書館、文書館それぞれの在り方を考えることが大切なのではないでしょうか。また、まちづくりの観点を持って検討し、整備に取り組むことも重要と考えます。交通の便でいえば、宇都宮市ではLRTの西側延伸が検討されていること、約40年後の2060年には栃木県の人口が約3/4になること等、様々な社会的変化により、まちの姿も変わってまいります。県は、数十年後の宇都宮市や県庁周辺はどのようになっているのか、社会的変化も含め想定するとともに、どのような姿にしていきたいのかを併せて考え、3施設の整備と栃木会館等跡地の利活用を検討していくことが重要ではないでしょうか。そこで、県立美術館・図書館・文書館の移転および県庁周辺整備の計画策定にあたっては、それらの在り方を踏まえるとともに、まちづくりの観点による将来構想を明確にしてすすめていくべきと考えますが、どのようにお考えになりますでしょうか、知事にお伺いします。
(答弁)新年度に設置する検討会では、基本理念をはじめ、デジタル化の進展など時代の変化を踏まえたあるべき機能等の施設の在り方について、まちづくりの観点も含め、幅広く意見を伺いながら丁寧に検討を進めてまいります。一方、栃木会館跡地及び中央郵便局跡地等の利活用については、新年度に、民間から幅広く意見等を募るサウンディング型市場調査を実施していきます。シンボルロードを含めた県庁周辺は、公共公益施設や文化施設などの都市機能が集積する重要な地域であることから、宇都宮市と連携を図りながら、社会情勢の変化も見据えた県都の顔にふさわしい空間の創出に努めてまいります。